二一 赦す
信者も教会も、悔い改める兄弟に対しては、赦そうとする姿勢を持っています。「七度を七十倍するまで赦せ」と主が言われたように、何度でも赦そうとする願いを持っています。しかし、ほんとうに「赦す」ということは、悔い改めようとしない者や、罪を犯し続けている者をさえも、やさしく赦すことなのです。それは、悪の是認、罪の放認のようですが、決してそうではないのです。どうにでもなれ、勝手にしろと、放ってしまうことではないのです。その人が潔くなるようにという、切なる愛の祈りを内に秘めているからです。そして、「赦す」ということは、その人の罪を、自分の罪として負うていくことなのです。
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